好き嫌いが出てきた…このまま偏食になる?
後期・完了期になると、
- いも・かぼちゃ・バナナばかり食べる
- 野菜を出すと口を閉じる
- 酸っぱいもの、苦いものは全拒否
こんな様子に、
「このまま偏食になるんじゃ…」
と質問いただくことがあります。
結論から言うと、
この時期に食べない=将来の偏食が決まる、わけではありません。
が、
赤ちゃんは美味しい物にまっしぐらではあります(笑)
だから、
赤ちゃんに色んな食材を美味しいと思ってもらう工夫が大切です。
離乳食後期・完了期は
味覚を広げる絶好のチャンスなのです。
後期・完了期は味覚がぐっと広がる黄金期
よく、7ヶ月〜1歳半ごろは「味覚の黄金期」と言われます。
この時期は、
赤ちゃんの味覚がとても柔らかく、
いろいろな味を受け入れやすいタイミング。
赤ちゃんの味覚は、
生まれつき持っている部分と、
経験によって育つ部分があります。
後期・完了期は、
いろいろな味に出会うことで、
味覚の世界が一気に広がっていく時期。
だから、
今は味覚の幅を広げて苦手な味にも慣れていくチャンス。
- 見る
- 触る
- 舐める
それだけでも、
ちゃんと味覚の経験になるんです。
偏食予防につながる「酸味・苦味」に挑戦
甘い味は、
赤ちゃんが本能的に好きで安心しやすい味。
でも、
味覚は五味といって甘味だけで成り立っていません。
甘味、塩味、旨味、酸味、苦味
これらの5つの味を体験していくことが大切です。
その中でも大事なのが、
酸味と苦味。
これらは、腐敗や毒を表す味で、
本能的に最初は嫌がることも多いもの。
だからこそ、
この時期に食べられる「酸味」や「苦味」を
教えてあげましょう。
例えば、
- 酸味:トマト、ヨーグルト、みかん
- 苦味:ほうれん草、小松菜、ブロッコリー
「こんな味があるんだ」
と感じたことが、大事な経験になります。
赤ちゃんは味覚の経験を重ね
「慣れること」で美味しいに変わっていくのです。
味覚を育てるカギは「お出汁」
酸味や苦味を体験させたいけど、
そのままだと
受け入れづらいこともあります。
そんなときに
ぜひ使ってほしいのが、
お出汁。
お出汁は、
五味(甘味・塩味・酸味・苦味)を
旨味で引き立ててくれる存在。
- 酸味のとがりをやわらげる
- 苦味を“嫌な味”にしにくい
土台として色んな料理に使うのがポイント。
母乳のうまみ成分と
少し似ていることもあって、
お出汁で煮たらたくさん食べるようになりました。
と言われることもよくあります。
必ずしも食べなくてもOK
味覚体験の目的は、
「完食」ではありません。
- 舐めた
- 口に入れた
- すぐ出した
それでも十分。
食べることよりも、
味を知ることが大事な時期。
無理に食べさせようとすると、
その味自体が
嫌な記憶になってしまうこともあります。
嫌がる様子が見られたら
「すっぱかったね~」と一口でやめて
また日が空いたタイミングで試していくと
何回目かには食べれた!ということもあります。
可愛い赤ちゃんの反応を楽しみながら、
色んな味を教えていってあげてくださいね。
味覚体験の取り入れ方
離乳食で簡単にできる
味覚体験の方法を少し紹介します。
- 野菜をお出汁でやわらかく煮る
- 甘い食材に少量の酸味を足す
(例えば、さつまいもとりんご、にんじんとトマトなど)
なんでも受入れてくれる味覚の黄金期
と言われても、
赤ちゃんの味覚は大人の2~3倍も敏感です。
そのため、酸味や苦味もそのままでは
とても食べられません。
お出汁やお湯で味を薄めてから
あげるようにしましょう。
少しの味でも味覚は広がっていきます。
一口でも、
一瞬でも、
経験できたら十分。
少しずつ教えてあげましょう。
「なんでも食べる」を目指さなくてもいい
今、食べないからといって、
これからも
ずっと食べないわけではありません。
成長とともに、
味の感じ方も、
気持ちも変わっていきます。
子どもは特に味覚に敏感。
大人が感じている以上に酸味や苦味を感じます。
だからこそ、和らげてあげる工夫が大事。
大人だって、
昔は苦手だったものが
今は好き、ってありますよね。
今は、
味覚の土台を
楽しく育てている時期。
何事も親子で楽しみながらいきましょう。
まとめ|味覚は食経験で広がる
- 無理に食べさせない
- 克服させようとしない
- お出汁を使って、やさしく広げる
それだけで、
味覚はちゃんと育っていきます。
次回予告|離乳食完了期〜幼児食へ
次回はいよいよ、最終回。
離乳食完了期〜幼児食へ|大人の食事からの取り分けごはんを増やしていこうをテーマに、離乳食が家族の食卓につながっていく
幼児食につながるお話です。
シリーズ全部が見たい方はコチラ
➡離乳食、何から始める?スタート前に知っておきたいこと